プラズマの運動には大きく隔たった複数の時間・空間スケールが含まれるた め、一つの物理モデルで現象を十分に、かつ効率良く記述する事は困難です。
このため、注目するスケール(例えばミクロスケール、マクロスケール)に ついて別々の物理モデルを用いてシミュレーションを行うのが常道です。 しかし、スケールごとに分離したシミュレーションでは、現象を統一的に理
解するのは困難です。そして、核融合の高温プラズマはまさにこのような困難な問題の典型です。
このグループでは、この階層の垣根を越えたプラズマの運動の統一的な理解 を目指して、いくつかのスケールを同時に着目し、多階層シミュレーション モデルの開発研究を行っています。 |
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左図の説明:
磁気リコネクションの多階層シミュレーションの例です。左は磁力線、右は流体速度ベクトルを表しています。以前の結果から、多階層モデルは下記のように発展しています。まず、下流方向を周期境界条件から開放境界条件へと改良し、アウトフローが下流から出て行くことができるようになりました。また、マクロ階層部分に不等間隔格子を適用し、広い領域を計算することができるようになりました。 |
右図の説明:
これまでの多階層シミュレーションでは、リコネクション上流方向を階層間連結することに取り組んできました。今後大規模なリコネクション系をシミュレーションするためには、下流方向を階層間連結することが必要です。その第一段階として、連結手法を改良して、ミクロ階層からマクロ階層へ、Maxwell速度分布を満たしたプラズマが伝播する多階層シミュレーションを実施しました。図はプラズマ質量密度の鳥瞰図です。PIC領域からMHD領域へスムーズにプラズマが伝わっていることが分かります。 |
名称:PASMO
名称:MARIS
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